調査研究レポート(第2回) 「日本のコワーキングスペースの拡大」(2)

コワーキングスペースの立地状況

2-1 全国都市別にみた施設数

 次に、全国都市別にコワーキングスペース施設数の立地の推移を分析してみよう【図表2-1】。

 東京23区が、調査の3時点いずれも圧倒的多数で1位であり、大阪市が同じく2位に位置し続けている。2021年2月時点では、横浜市が3位に躍り上がり、名古屋市、福岡市、京都市、神戸市、札幌市、仙台市、岡山市など、政令指定都市や各地方ブロックの中心都市が続いている。さらに、那覇市(10施設)が11位に位置しているのが注目される。また、宇都宮市、高崎市といった北関東の中心都市、藤沢市、町田市、鎌倉市といった東京圏郊外都市でも、その数を増やしつつある。



出典:コワーキング.com(2019年6月8日閲覧時点、2020年8月6日閲覧時点、
2021年2月18日閲覧時点)に基づきデータ作成


2-2 東京23区内における施設数

 コワーキングスペースの全国的な立地展開を受けて、東京23区の施設数の全国シェアはやや低下しつつあるものの(2019年6月:295施設・全国シェア36.9%、2020年8月:327施設・全国シェア30.8%、2021年2月:411施設・29.8%)、施設数自体はこの1年半で1.39倍に増え、現在でも全国の約3割のシェアを占める状況にある。東京23区内で、どのような立地の推移となっているかみていきたい【図表2-2】。

 各区別の施設数をみると、上位の港区(1位)、千代田区(2位)、渋谷区(3位)まで、順位は不動であるとともに、この3区ではさらに施設数を増加させつつあることが分かる。中央区(4位)はやや高止まりを見せる一方、新宿区(5位)はその数を順調に増やし、4位に肉薄しつつある。この5区に続いて立地が多いのが、2019年6月時点では城西地域(豊島区、杉並区など)と城南地域(品川区、世田谷区、大田区など)の区であり、やや「西高東低」の傾向がみられたが、この1年半の間に台東区(9位)、江東区(10位)でもその数が増えつつあり、都心及びその周辺地域の全域にわたって施設数が増加している状況がみてとれる。


出典:コワーキング.com(2019年6月8日閲覧時点、2020年8月6日閲覧時点、2021年2月18日閲覧時点)に基づきデータ作成